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有限会社河瀬塾の更新担当の中西です。
さて今回は
目次
― “落ちない・揺れない・逃げられる”現場をつくる ―
地上設置が困難な領域、つまり橋梁桁下・河川上・プラント密集地などで活躍するのが「吊り足場」です。
この工法のカギは、
1️⃣ アンカーの健全性と冗長性
2️⃣ 共振・ねじれの制御
3️⃣ 非常時退避計画
の三本柱。
ここでは、母材適合→試験→設計→運用→救助までを一連の流れで体系的に整理します。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 母材の種類 | RC/鋼/岩盤で選定が異なる。引抜・せん断試験を実施し、余裕度(安全率)を確認。 |
| 二重化 | 吊点ごとにバックアップアンカーを設置。主系統が破断しても吊荷を保持できる冗長設計。 |
| 角度制限 | アイボルト角度は45°以内。超過すると偏荷重→抜けリスク上昇。 |
| 腐食・化学環境 | 塩害・薬品飛散が想定される場合は、ステンレス材や防錆被膜を採用。 |
🎯 「引抜試験で証明、二重化で保証」。アンカーが吊り足場の命綱です。
左右対称配索が基本。ワイヤやチェーンの取り回しはねじりを生まないルートを選定。
**ねじれ防止部材(スイベル・ターンバックル)**を併用。
共振対策:
ブレース追加で剛性アップ。
ダンパー設置で固有周期を短縮し、風・列車風・車両風との同調を回避。
⚙️ 吊り足場の安定は「剛性×非同調」。振れを許さない設計が要。
二重ネット+幅木で落下物を完全封じ込め。
荷揚げ開口は常時閉鎖+専任合図者で管理。
“モノが落ちない現場”=“人も落ちない現場”。
開口部の周囲には反射材付きロープで視認性を高める。
🧵 「落ちる」より「落とさない」設計を最初から入れる。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 係留計画 | 流速・風速を想定し、アンカー・ワイヤの張力バランスを設計。 |
| 出水期対策 | 出水想定時には仮排水路+濁水処理設備を整備。 |
| 環境配慮 | 濁水・浮遊物・油膜の発生を抑制する処理計画を施工計画書に明記。 |
🌍 “環境も安全の一部”。河川作業では法令だけでなく地域の理解が品質です。
退避ルート・合図方法・夜間照明・救命具配置を一枚図で明示。
毎四半期の救助訓練で“身体で覚える”。
無線通信・警報音・ライトサインを併用した複数伝達経路を確保。
作業員ごとに救命胴衣+ライト+ホイッスルを標準装備。
⛑️ 「計画が命を救う」。有事は紙ではなく身体の記憶で動く。
| 点検区分 | 内容 |
|---|---|
| 始業前点検 | アンカー・吊材・ネット・開口閉鎖・照明を全確認。 |
| 定期点検 | 週次・月次で記録簿+写真。タグの色替えで“最新性”を示す。 |
| 異常時点検 | 強風・豪雨・地震後に全数再確認。 |
| 是正ルール | 不適合箇所は48時間以内に是正100%。進捗をKPI管理。 |
📸 記録が信頼をつくる。“締結”と“写真”はセットで残す。
施工条件:
・地上設置不可(橋下50m)
・風圧・共振・夜間作業あり
実施ディテール:
アンカーは母材試験→本数余裕設計
吊材は左右対称配索+スイベルでねじれ防止
ダンパーで固有周期短縮
二重ネット+幅木+合図者配置
夜間照明+救命具常備
成果:
無事故 ✅
工程遵守 ✅
苦情ゼロ ✅
🎯 設計8割・運用2割。準備が現場を救う。
吊り足場の安全性は、アンカー適合×周期制御×救助計画で決まります。
設計の段階で「落ちない・揺れない・逃げられる」を組み込み、
現場では点検と訓練でそれを維持する。
🏗️ 安全は“技術の延長線”。吊り足場の精度が、その会社の信頼を映す。
1️⃣ アンカー試験結果と設計値を1枚に整理して掲示
2️⃣ 吊材配索の左右対称化+ダンパー設置を徹底
3️⃣ 退避・救助計画図を現場掲示+訓練実施
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